マイナスから恋をはじめよう
恋愛指南本の目的は、恋愛に悩める子羊の恋の応援である。そのため、好感度を高めるためのアドバイスが多く、清潔感のある見た目、メールや普段の会話でのアピールの仕方などが取り上げられている。今回は、好感度を高めるために、好感度をあえて下げる方法を提案したいと思う。
非の打ちどころのない人は、天が二物も三物も与えたと羨望の目で見られることが多いし、実際に恋愛市場での需要も大きいだろう。だが、彼らには勝てないとの思い込みから、恋愛をすぐに諦めてしまうのはいけない。完璧な人ほど、何かやらかしたときのマイナスの幅も大きい。例えば、高学歴高身長高収入イケメンがおならをしたとしよう。別に悪いことをしているわけじゃないけど、百年の恋も冷めるかもしれない。ちょっと粗雑な言葉遣いをしただけで、勝手に王子様イメージを抱いていた人から、えっ…と思われてしまうかもしれない。イケメンや美女に対する周りの高評価は、危ういバランスの上になりたっている。なんでも兼ね備えた彼らに対し、頭の片隅に嫉妬を抱えている人も多いから、ちょっとしたことでも大きな粗のように思われてしまうのだ。
芸能人が不倫をすると、普段からある程度ゲスさを前面に出している人はさほどダメージを受けないけれども、家族への愛を売りにしている人はかなり痛手を負っている。この場合、肉を切らせて骨を断つ、ではないけれど、あえて普段からマイナスな面を出しておくことが、いざとなったときのダメージを抑える効果をもっている。ラブコメの金字塔『めぞん一刻』だって、五代君の響子さんへのイメージは最初あまり良くなかったはずである。浪人中の身でありながら勉強よりもスケベ心が勝っていて、だらしない…。しかしながら、響子さんの心を射止めるのだ(もっとも、五代くんはそこそこイケメンではあるけれども)。
恋愛シミュレーションゲームをプレイしたことがあるが、最初はちょっといけ好かない感じのキャラクターを攻略するシナリオが私は好きだ。ちょっといい部分を見せられるともどかしくなる感じは、ギャップ萌えとして皆さんご存じのはずである。ファッションがダサくて評判だとか、一度好きな人の前で盛大にやらかしたことがあるとか、マイナスの状態にあると思う人は、それをポジティブに捉えたほうがいい。今後積み重ねていけるプラスの幅は、最初から好印象の人より大きく、インパクト大なのだ。そして、相手にとって今の自分の存在が薄いと思う人は、一度あえてちょっとだけ嫌われる言動をする。そうすると、「無難にいい人」よりは印象には残るし、その後それなりにいい行動をすれば、ギャップでイメージアップする。ただ、ちょっと嫌われる言動の塩梅は難しい。下手したらセクハラパワハラになりかねないから、そこは相手の許容範囲をみて変えていったほうがよいだろう。
いつか恋愛指南本を出してみたいものである。